RPGと言うものについて考えてみる 前編

 最近気の抜けた更新ばかりをしている気がしたので、少しばかり気を引き締めてちょっと真面目に書いてみるとします。


 ↓あ、これ最近のお気に入りです。茶葉から出すウーロン茶オイシイヨ!

 さて、恒例の話に入る前の脱線もしたところで本題。

「RPGと言うものについて考えてみる - 前編」

 全三回を予定して適当に(ちょっと真面目に)つらつらと。
 そして今回は、
「そも、RPGとは何か」を書いてみようと思う。
 まず簡単に箇条書きでそれを示してみる。

  • role-playing game(ロールプレイングゲーム)の略称
  • 意訳的には「役を演じるゲーム」が最も近い。
  • 元はテーブルゲームの一つ。
  • TVゲームでのRPGでは別に「ロープレ」という略称があるが、テーブルゲームでのロールプレイの略称は単純に「ロール」である。
  • TVゲームでのRPGと、テーブルゲームでのRPGは内包する概念が変わる。

 と言う訳でいきなり意味が二つに増えた。(以下、TVゲームのRPGを「RPG」、テーブルゲームでのRPGを「TRPG」と記す)
 では、今度はそれぞれのRPG別に示してみる。

TRPG
  • 元はテーブルゲームの一つ、ウォーシミュレーションゲームの派生系の一つ。
  • 日本ではテーブルトークRPG(TRPG)と言う名称が一般的。
  • 様々なルールブックが存在し(有名処ではD&D、日本ではソードワールドシリーズ等)、細かなシステムに違いがあるが、基本的には「ゲームマスターが存在し、それとは他にプレイヤーが数人集まり、自らでキャラクターを作成し、ゲームマスターの元、設定された世界を冒険する」流れを取る。
  • コマンド式RPGの元となる一巡ずつロールして場面を展開させるなんて流れはTRPGの基本的なシステムとして存在している。
  • 武器の強化、経験値とレベルの概念があるものが多く、主に長期に渡るキャンペーンシナリオを行う際に利用される。
  • 判定はダイスを使う事が多い。一般的な6面ダイスだけではなく4面、8面、10面、12面、20面など多種多様のダイスを利用する。二つのダイスを振り、両方とも1が出た際等の大失敗を意味する絶対失敗判定、ファンブルが有名か。言う人に言わせれば「ダイスこそTRPGである」とか言いそうなほどTRPGの特徴となっている。
  • 尤も、最近のではダイスの代わりに独自のカードを使うTRPGも存在する。
  • 戦闘において、通常の攻撃とは別に特殊なスキル攻撃を使う事ができるものが多い。なお、このスキル攻撃の回数はスキル攻撃ごとの設定回数しか使用する事はできず、回復は専用のアイテムを利用するか一定のポイント等でしか行えない。(と言う物が多い)
  • MMO(多人数参加型オンライン)ではPBW(play by web)が一般的。
RPG
  • 最初に出たのは「Akalabeth」。1979年発売。後のシリーズは名称がUltimaに変更される。
  • AppleII用ソフトウェアとして1980年にAkalabethの改良版である初代Ultima。そして1981年に同じモチーフを取りながらも全く別のアプローチで開発された初代Wizardry(以下Wiz)が発売される。
  • Ultima(後のシリーズで改良される事によって)でリアルタイムRPGの基礎が築かれ、Wizardryでコマンド式のRPGの基礎が築かれる。
  • ダイス代わりの判定は、場面ごとの判定値を固定化し、全てコンピューターが乱数によって行う事で、ある程度の自由度の低下と引き替えにゲームマスター=コンピューターの図式を完成させた。
  • なお、Ultimaから既にJRPGの特徴である主人公が固定(アバタール)という概念は存在していた。
  • TRPGからの正当移植に近いWizのシステムをベースに、設定がUltima寄り(主人公固定型)なJRPG(ドラクエやFF等の「主人公が固定で、自由度が低いコマンド式RPG」)が日本にて制作、発売され人気を博す。
  • 逆に海外では「主人公が固定では無く、自由度が高いリアルタイムRPG」が多く作られる。(ディアブロシリーズ、TESシリーズ等)
  • ドラクエは終始Wiz寄りのままだったが、FFは後にリアルタイムRPG、つまりUltimaの要素を取り入れ改良されていく事となる。
  • MMOジャンルとしては、Ultimaシリーズのシステムを模範している物が多い。(まぁMMORPGジャンルの奔りがUltima Onlineなのだから仕方がないとも言える)

 とまぁ、こんな感じか。

 こうやって見比べると分かるのだが、
 RPGとは基本的にUltima、Wizのシステムの模範、改良形であると分かる。
 対してTRPGはD&Dの改良形の系統と言うべきか。
 それぞれが持つ概念は共通して「物語の中を歩く」行為に他ならず、そこら辺はRP(ロールプレイ)としての意義を保持していると言える。
 ただ、どうしてもRPGは受け身的な「物語を読む」感覚となってしまうのに対し、
 TRPGは能動的に「物語を作っていく」と言う点で確固たる違いがある。
 例えると、自由度やキャラクターの物語を自分で妄想できると評判のWizでさえ、「最終的に狂王の箱庭には絶対に潜らなくてはならない」と言う制約が存在する。
 対しTRPGなら「その冒険は危なそうだから止めておく」なんてまずシナリオを根本的に否定してしまう選択肢さえできてしまう。
 この辺りは口頭でのやりとりが基本となるTRPGならではだと言えよう。(最も、んなこと言われたらシナリオを用意しているゲームマスターは切れるだろうけど)

 RPGとTRPGの違いについて、何となくそんなもの程度に理解できればそれで良い。どうせ実際にやらんと分からんのは間違い無いのだから。
 まぁ凄まじく簡単に結論するとこうなる。

  • TRPGはあくまで複数人でやるテーブルゲームの一種。人生ゲームのRPG版みたいなもの。
  • RPGは基本一人でやるコンピューターゲーム。ちょっとだけ能動的に進めていく小説みたいなもの。

 暴論に近い気もするがそんなもんである。

 以下中編に続く。